代表者メッセージ

会社と店舗展開

会社への思い

ニュールックグループは、もともと先代である母が始めた蒔田の焼肉店「天龍」からスタートしました。
僕も幼い頃から焼肉店を手伝い、高校を卒業してからは社員として働きはじめるようになったのですが、父のほうも縫製工場を経営していて、20歳の頃には両方を手伝う忙しい日々を送っていました。どちらの仕事を継ぐべきか決められずにいた僕に、ある時父が焼肉店のほうをやれと勧めてくれて、結果的に母の後を継いで蒔田の店長を務めるようになりました。今思えば、父は縫製業界がどんどん衰退していくのを感じていて、先を見越して言ってくれた一言だったのだと思います。
じつは、「ニュールック」は父の会社の名前を引き継いだもの。いかにもアパレル系で飲食業にはそぐわない名前と思われるでしょうが、その後たたんでしまった父の会社を何かのかたちで残しておきたいという気持ちから、この名前に決めたんです。
今はもう他界してしまった父や厳しかった母、人に対する優しさを教えてくれた兄や姉、甘やかさず仕事を仕込んでくれた店の先輩。まわりのすべての人や新たな出会いがなければ、今の僕はありませんでした。今だって、お客様やスタッフ、取引先をはじめとする僕のまわりのすべての人に助けられています。だからこそ、自分がやる店は「人」を大切にする店でありたいし、僕のまわりをはじめすべての人に愛される店にしたいという思いを強く持っています。

ニュールックの店舗展開

じつは、最初この業界に入った時は、多店舗展開などする気はまったくありませんでした。それが、父の病気で縫製工場をやめることになり、一家を支えるためにはお店を増やして稼ぐしか道がなかった。どうしても売り上げのあがる店を作らなければという一心でした。
そうして出店したのが、「あぶり屋上永谷店」です。
当時、天龍は客単価が5,000円程度で、20代だった自分も含めて、若い世代はなかなか食べに行けない店でした。もっと気軽に焼肉を食べてもらいたいという思いがコンセプトになって、リーズナブルに美味しい肉をお腹一杯食べてもらえる店「あぶり屋」を作りました。最初に客単価を設定し、その単価を実現するために当時は出始めだった発泡酒を出したのもこの店が最初です。おかげさまでご好評をいただいて、続いて上大岡、のちに戸塚にも出店することができました。
その後、姉が店長のお好み焼き「まん天」をオープンした頃から、自分の中で商売に対する欲も出てきて、本当にやりたいと思った店舗を一から立ち上げるに至ります。その店が、関内の「匠家本店」です。
お洒落な内装、寿司屋のようにネタ(お肉)の並んだケースのある居心地の良いカウンター、隠れ家のような個室と、今までの焼肉店のカラを破った店舗。もちろん最上級の和牛を提供し、ワインを飲みながらコースで楽しめるような新しい焼肉のスタイルを提案することで、接待や記念日、大切な方との会食といった、今まで焼肉では敬遠されていたシーンを飛び越えて利用の機会を広げてくれています。

やりたいという思いを店で実現

高級路線の匠家のすぐあとにオープンしたのが、まったく逆の大衆的な「串焼きともつ煮込みの店」です。きっかけは、ある店で食べた塩味のモツ煮込み。これを食べた時の驚きをさらに上回る味をつくりたくて、数ヶ月の試行錯誤を繰り返しながら、「塩もつ煮込み」を看板メニューにした「もつしげ吉野町店」のオープンまでこぎつけました。おかげさまで塩もつは大人気になって、もつしげの2店舗目をオープンしたのが野毛でした。
その頃から野毛エリアはどんどん新店舗が進出、もっとも勢いのあるエリアとして注目を集め始めていました。野毛への出店をきっかけにして、さらに野毛エリアに2店舗、「のげとりとん」「野毛ホルモンセンター」を次々にオープン。
サムギョプサルとタッカンマリという目新しい韓国メニューを食べ放題で提供する「とりとん」は、特にタッカンマリがメディアに取り上げられ、大人気店として注目していただいています。「ホルモンセンター」も安くて旨い大衆の味方として、根強いファンの方に支えられて連日盛況の人気店となりました。
思えば、いつでも店づくりはゼロから、「こんな店をやりたい」「この味をつくりたい」という思いだけでスタートしてきました。その思いが強く純粋だったからこそ、妥協のない店と味づくりにとことんこだわることができ、それが今につながってくれていると思います。

社内制度と人材育成

人材の育成

うちで働くスタッフには、たとえアルバイトであっても、何らかの形で成長していって欲しいと思っています。もちろんお金を稼ぐために働くわけですが、若い人たちが今しかない大事な時間を使って働いているのであれば、お金だけでなく働くことによって人としてプラスになり成長できることを僕らが手伝うべきというのが根底にあって、特に「礼儀」に関しては、厳しく言っています。数年後に、あそこで働いたから挨拶ができるようになった、礼儀が身についたと思ってもらえたら嬉しいですね。
ニュールックでは採用は社長である僕が担当していて、すべて直接面接して決めています。自分が採用したスタッフだから、ひとりひとりの成長について気にしてあげたい、見てあげたい気持ちをいつも持っています。社員が15人ぐらいまでだった頃は、社員のことを僕が見ていて給料もすべて決めていました。でも、社員数が増えると物理的に無理になってしまった。だから、基準を作ることにしたんです。

社員全員に権利を与える制度

今のうちの社員の給料は、社員が作った給与査定の基準表で決めています。これはポジション別に何十項目かになっていて、社員の有志が集まって作っているもの。社員誰でも参加OKで、「給与査定作るから興味あるヤツは一緒にやって!」と声をかけて集まったいろんな立場の社員が話し合って決める。これに限らず、社内の基本事項はすべてこういう感じで決めています。
前もって携帯の掲示板に内容をのせて、興味がある人は来て一生懸命考えて意見しなきゃならない。来なかったら、あとで文句は言っちゃいけない。権利は与えてあるんだから参加せずに文句を言うのは、なし。
今は、3ヶ月に一度、店舗への配置と給料の査定まで最終的に自分で決めるようになっています。もちろん給与査定チェックがベースですが、たとえば自分にプレッシャーをかけるためにそれに上乗せをして、達成できない時はちゃんと下げるなどは自分の判断です。
僕の役割はというと、全体のバランスをとることだけ。僕は月に必ず一回ずつ全店舗に仕事で入るようにしていて、ユニフォームを着て料理からホールまでやる。それで各店の全体の仕事を見てある程度は把握して、バランスをとっています。

自分で考える力を鍛える

社員が作る給与査定方式を採用してから、社内は良くなっています。それは社員が会社を経営する側にたって、会社として求めることは何か、給料はどうやったらあがるのかをはっきり認識できているから。上から言われたことに従うのでなく、自分で考えて行動に移す力が大切なんです。
たとえば、店舗でトラブルがあったら「どうしたらいいですか?」ではなく、「自分はこうしたらいいと思うんですが、どうですか?」と、必ず自分なりの答えを考えて行く姿勢。各店舗の仕入れも、僕が決めるのではなく、自分たちがお客様に出したい物、お店で欲しいものを買う、というように、各店舗に任せています。
だから、厳しいしキツいけど、やる気のある人間には本当に面白い職場です。店長だって立候補で決めます。もちろん、いくらなんでも能力が伴っていなければ僕からストップをかけますが、基本的には本人のやる気で決めています。

売り上げ目標を復活させた意味

ニュールックでは、店舗ごとの売り上げ目標は全く設定せずにやってきました。なぜなら、飲食店を成功させるのに必要なのは「お客様に満足して帰っていただく」という一点だけだからです。お客様が満足すればまた次も来てくれる、いい店だよって誰かに紹介してくれる。目標だけ立てたって、売り上げなんか上がらないから必要ないんです。
でも、じつは最近別の目的で、店舗ごとの売り上げを設定するようになりました。
社員の目標として「店長」というゴールに辿り着いた時、その立場で一年ぐらいたつと仕事もルーティンでこなせるようになって、マンネリ化してしまう。日々の変化が乏しくなって、覇気がなくなったり、売り上げが落ちて来たりするんです。
その問題の解決策として、社員から出た案が売上目標です。
会社側の都合で押し付ける目標でなく、店長が自分で売上目標を設定する。例えば、去年が500万円だったとすると、今年は550万円を目指す。その上乗せの50万円はただがんばりますじゃなくて、こういう根拠があって、そのために何を準備して、どうやって実行していくから伸びる。そういう目標です。
店長スタッフのモチベーション対策としてもう一つ、付加給も採用しました。毎月給料が一緒じゃなくて、がんばっただけ+αになる給与です。売上もその要素の一つですが、じつはそこは10%。大きな比重を占めるのは、原価率や衛生面など、自分がどれだけ一生懸命にやったかが反映されるもの。努力次第で給料がちゃんと出るようになっています。

ニュールックのこれから

美味しかったではなく楽しかったといってもらえる店

僕らが飲食店をやっていて目指しているのは、「美味しかった」ではなくて「楽しかった」「気分が良かった」「ありがとう」とお客様に言っていただけるお店です。
つまり、サービスは料理を超えていなくちゃダメ。「美味しかった」を超えるサービスができて初めて、うちらしい店になる。そのことを、スタッフには繰り返し教えています。
たとえば、お客様がビールをこぼしてしまった時、スタッフが拭きに来るのは普通ですが、もう一方で別のスタッフが新しいビールを持ってくる。そして「よかったら召し上がってください」と差し出す。それは社員でなくバイトでも誰にも許可はいらない、そういう決定権はスタッフに持たせています。
オーダーの取り替えもそうです。どっちがオーダーを間違えたかなんていうことより、お客様の食べたい品を食べてもらいたい、だからすぐに作り直して持って行く。
どっちの責任とか原価とかを気にする前に、お客様をがっかりさせたくない、気持ちよく食事を楽しんでいただきたい、そこなんです。
こういうことの積み重ねがスタッフに浸透していって、みんな何となくわかってくる。その場での臨機応変な対応が自然とできるようになってくる。それが、味を超えるサービスの提供につながってくるのだと思っています。

今後の展望

僕は自分の我や欲で50店舗にしたいとか、年商何億にしたいとか、そういう夢はほとんど持っていません。今、ある程度したいことをさせてもらっていて、それは僕のまわりにいるスタッフのおかげ。だから、どんどん皆に還元できたらいいなと思っています。
僕たち飲食店っていうのは、馬鹿みたいに儲かる商売ではありません。客単価をすごく上げるわけにもいかないから、店の数を増やすことで全体の売上をあげていくというやり方しかない。
若いスタッフたちも、給料を上げるには店長や上のポストになるしかありません。ポストをもっと作っていかないと、頑張っているスタッフの給料を大きく上げてやることができないんです。だから、いつも僕の頭の中にはいくつかのお店の構想があって、あとは実現させるタイミングを待っている状態です。
大きなことはできないけれど、店の数を増やしたり、店長の上のポストを作ったりすることで、みんなの給料を上げていきたい。それを今後きちんと実現させたいですね。
あとは、せっかくうちの会社に入って来てくれているんだから、スタッフには楽しく仕事をして欲しい。「この会社でやる気が出るよね」とか「がんばるとちゃんと結果がでるよね」とか、そういって働いてもらえる会社にしていきたいですね。